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緊急事態!!色々なことを書き散らしているようで、そうではなかったり。不思議でワイセツで知的な刺激を。
by fastska
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2006年絶対推奨本 ~2005年を振り返って~
 2005年とは考えることの多い年だった。いや、別に考えることを拒否しているわけではない。おそらく考えさせる出来事がたまたま集中してぼくの周りに起きたのだろうと思う。そんな中でも昨年も読書を続けた。手元のメモによると2005年の最初に読んだ本は星新一著「かぼちゃの馬車」であり、最後の本は養老孟司著「無思想の発見」であり、トータルでは184冊だった。

 2005年は何が終わって、2006年に向けて何が始まるのか、あるいは始まってはいけないのか。こういうことを意識して、2005年に読んだ推奨本を述べる、という作業をやっている。また、この内容は2005年に読んだということであって、その本が実際は何年に発行されたかなどは興味がない。

2006年絶対推奨本 ~2005年を振り返って~_a0022864_7292397.jpgどこまでも自由に生きていくために~菊地成孔「スペインの宇宙食」

 サックス奏者の菊地成孔氏が綴った文章集。これはエッセイなのか、小説なのか、あるいは評論なのか。そういうカテゴリ分けを遥かに超えたところにあるのは間違いない。自身の生い立ちの秘話から、屈折しつつも、いやその屈折ゆえに燦々と輝く現在一流のジャズ音楽家になっていくストーリーが独特の文体で語られる。

 人は自由に生きていかねばならない、と皆はいう。しかし、たいていの人は常識とかこれまでの諦念感という桎梏のもとでは、本当に徹底的に自由に生きることができない。

 菊池氏の文体には、どこまでも自由に生きることを選択せざるを得なかった、という一人の男性の生き様を見てしまう。それを選択せざるを得なかったのは、もちろん菊池氏の幼稚さである。しかも徹底的な幼稚さ。あることを執拗に熱中してしまうことは、どうしてもフェティッシュ・幼稚性が避けられない。

 この幼稚さを持って社会の前に立つこと。自由に生きていくということは、覚悟がいる。でもその覚悟を突き抜けた人はかっこいい。

2006年絶対推奨本 ~2005年を振り返って~_a0022864_7394762.jpg本当に大事なものを探して~神田昌典「成功者の告白」

 では、徹底的に自由に生きざるを得ない職業といえばなんだろうか。おそらく菊池氏のようなアーティストであり、フリーランスであり、あるいは現在流行のアントレプレナー(起業家)であろう。

 この本は、神田昌典氏が自身の実体験をもとに書き上げたノンフィクション小説である。サラリーマンを辞め、起業。そこで起きる家族との乖離、職場でのトラブル、思いもつかなかった成功、そして友人たちとの別れ、そして真の成功者の定義を求めて。

 自由に生きていくこと。そして、その先に経済的な成功を勝ち取ること。そこが完全に最終目的となっている人たちは、それを得るまでに失ってしまうものに気づくことができない。人は意識しないことは考えを巡らせることもない。

 図書館で一気に読み上げ、はじめて図書館なる公共スペースで泣いてしまったこの本は、ぼくに「重要なもの」の定義を迫った。もちろん、精神主義への傾倒はいけない。それはどこかの宗教家に任せればいい。

 重要なのは、働くという形態が予想以上に細分化され解体している中、自分自身のみに適しているスタイルを模索せねばならないということなのだ。

2006年絶対推奨本 ~2005年を振り返って~_a0022864_7494849.jpg遥かなる旅路~橘玲「永遠の旅行者」

 それでは、働くという形態は、ぼくらの予想もつかないところで存在するのだろうか。答えは、「予想もつかないところで存在している」。橘氏は、博覧強記に金融からカルチャーを描きまくる。そこでニーチェの超人思想とのリンクがある。

 通常の働くという形態に抗する主人公は、当然日本国家という近代国家の枠組みをも超えようとする。それは、税金を払わないという生き方であり、どこまでも放浪する「永遠の旅行者」となるという生き方だった。

 そして、この生き方を見せつけられたあとの印象は、この生き方は「通常の」レベルでない以上、その生き方を実行する主体も「通常の」レベル以上の能力が要求される。この主人公の場合ハプロフェッショナルな金融知識であったし、法律、そして語学、カルチュアルなコミュニケーション力であった。こういう能力の上でしか、通常のレベルを超す何かなど創り出しえない。

 2006年。ぼくらには何が起きるだろう。何を起こすだろう。ぼくらの世界はどれだけ広がるだろう。そして何が変わらないだろう。世界の中で、どれだけ小さな自分を発見するだろう。そして、繰り返しの自己否定のあと、ぼくらはどんな人間になっているだろう。

 自由と働くと新しさを感じるための三冊。
by fastska | 2006-01-02 08:03 | 青春記・旅・思想
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