緊急事態!!色々なことを書き散らしているようで、そうではなかったり。不思議でワイセツで知的な刺激を。
by fastska
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著者説明:(けっこう)有名な企業で仕事やっているけれど、片手間でライターもやっている。ファッションと旅行以外ならだいたい書ける。お仕事、感想、批判、誹謗中傷やらなんやらがあれば、ここまで。

earthcream2000@
yahoo.co.jp

(山塚あて)
*すみません、昨年からずっと最近メールが1万通きていて、見切れていません。メール返信必要な場合はblogに書き込んでいただけると幸いです。

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カテゴリ:サイバースペース( 8 )
人間はwebで第二の人生を夢見るか~ポスト・ポスト資本主義批判
セカンドライフというオンラインゲームをご存知だろうか。アメリカにこの前行ったときには、このゲームが大人気だった。一言でいえば次世代SNSである。サイバースペースに自分のアバターを住ませ、そこにいる二百万人と触れ合うことのできるゲームだ。通常のSNSが自分のページを介してコミュニケーションを行うのに対してセカンドライフでは、自分のキャラクターを動かしてコミュニケーションを行うのが目新しい点である。

ライフスペース上では、サイバースペースの中でビジネスを行うことが可能だ。しかも、貯めたお金で車を購入することもできる。もちろんサイバースペース上の、だが。それでもなお、実際の世界で購入できない車を乗り回すのは快適なことらしい。実際のお金とセカンドライフ上のお金をコンバートすることもできる。中には実際のお金を借金してまでセカンドライフ上で散財してしまう例も多いと聞く。

ぼくは正直このセカンドライフに新しい資本主義の拡大を見て取らざるを得なかった。つまり、アメリカという国は消費のはけ口をついに仮想世界上に見つけてしまったのだ。自動車産業に代表されるものづくりから、ITや金融に代表される虚業たち。そのあとは、ついにマネーの行く先がサイバースペース上の架空消費に行き着いてしまったというわけだ。

資本主義とは絶えず消費先を探し続けるダイナミズムである。情報産業が実際のぼくらの通信環境を変えてしまった後は、仮想上の世界に消費の先を求めているというのはあまりにすごいことではないだろうか。実際の世界ではもう欲しいものはない--、というのはある程度満たされた世界にいるわけだ。

しかし、サイバースペース上であればまだまだ欲しいものはたくさんある。実際の世界でカムリで満足している消費者であっても、サイバースペース上ではインフィニティの高級スポーツカーが購入できる。そして第二の自分の可憐さを見て満足してゆく。この人間の欲望を作り上げるのは、繰り返しだが資本主義のダイナミズムゆえである。

そして--、アメリカで起きたことは日本でも必ず起きる。としたら、日本の消費先が携帯電話代からサイバースペースでの買い物費用に移行してゆくことは夢物語でも妄想でもない。いつか、実際の世界での消費を自慢する時代からサイバースペース上での高額消費を自慢する時代がすぐそこまで来ている。

マルクスは資本主義の終焉を人間の疎外として予見した。とするならば、実際の人間を離れて、サイバースペース上の夢を皆が見始めた現実を前に、マルクスは何と言うだろう。これこそが究極の人間疎外ではないのか。ただ一つ違うことがあるとすれば、その人間疎外は、人間の自由意志によって、さらには喜んで行われていることだ。これこそ究極のユートピアか、あるいは悪夢の始まりか。

それを理解できるのにはあと5年はかかるだろう。
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by fastska | 2007-02-02 21:50 | サイバースペース
Google近未来小説~Google批判を批判する~素晴らしきネット社会
a0022864_21171860.gif その男はある酒場にいた。行き慣れた店。その週の疲れを癒すために、1杯やるのだ。

 特にその週、男は疲れていた。先週から始まったGoogleの新サービスであるGoogleインディビジュアルに加入したからだ。

 グーグルインディビジュアルは、各個人に埋め込まれたICチップと連動していた。

 たとえばスーパーに行って買い物かごを取った瞬間に、これまでの男の買い物履歴から最もふさわしい食品をアドバイスしてくれる。

 レストランにいけば、その男の食事履歴から最も最適なカロリーの食べ物の情報を提供してくれる。

 またどこのバーに行こうか迷ったときは、その男の飲酒歴で最適なバーを教えてくれる。これらの広告はすべてアフリエイト収益として、その男に還元されるのだ。1広告を受け取るたびに9円、そして実際その店に行くことになったなら10%の割引が適応される。

「マスター今週は疲れちゃったよ」。その男はつぶやいた。1週間広告を見続けていたのだ。しかも、それらの広告は意外にもその男の嗜好に合っていた。

「なんだか監視されているようなんだ。機械なんだけど、何故だか俺のことをわかっていやがるんだ。不気味なもんだけど、確かに便利なんだよ」。

「そうですか。私もこの店でGoogleの新しいサービスを利用していますが、結構新規客が来てくれてますよ。その代わり、リピート客は少なくなったなぁ。お客さんみたいに、何回も来てくれる人は稀ですよ」。

「マスター。そうなんですか。確かに広告で新しい店を次々紹介されちゃあ、『行きつけの店』っていうのができそうにないな。まぁだけど、検索サービスなんかもあるし、結果としてはトントンなんじゃない?」。

「そうかもしれませんね。でも今じゃ、そのGoogleの新しいサービスを利用しないと、お客さんすらこないから。僕らは利用するしかないね」。

「ぼくも先週このお店のアフリエイトサービスに加入者したけど、お客さんを結構呼んでいるでしょ?」。

「ええ、ありがとうございます。だけどお客さんにとってみれば、個人情報を公開することになるから。なかなかおっくうなんじゃないですか」。

「うん。だからぼくみたいに、何回も来ている店のアフリエイトに加入するなら支障は無いけれど。確かに、初めてくる店のアフリエイトに参加する気はないなぁ。小遣い稼ぎでやっている奴もいるけれど。それは進んで自分の情報公開するみたいでいやだなあ」。

「確かにそうですね。行き慣れた店に、アフリエイトとするのが一番です」。

 その男は呑みながら考えていた。映画「未来世紀ブラジル」に描かれたのは、高度に管理社会化した未来国家の悪夢だった。人々は、日々監視され、息苦しい生活送っていた。2010年になった今、規制緩和の流れとともに各国は、小さい政府を目指していた。だが、それと反比例するかのように、巨大なモンスターとしてGoogleが現れた。官が支配する世界も息苦しいが、民が個々人の情報を隅々まで管理する世界も息苦しい。どちらがましなんだ、と男は自問してみた。

 そう考えている男の頭が、ふらふらしてきた。

 「全く。こんなに疲れちまったのか」。その男つぶやいた。しかし、それは酔いによるものではなく、もっと何か違うもののようだった。

「効いてきましたね」。マスターは言った。

「効いてきた?」。その男は尋ねた。

「この顔を覚えていないのか!」。マスターは大声で叫んだ。

「お前は!」。男は驚いた。マスターは、その男が高校時代にイジメていた男だった。女子生徒の前で裸にしたこともある。水をぶっかけたこともある。イジメにイジメぬいた奴だった。

 マスターは言葉を続けた。「高校を卒業したとき、お前は東京に引っ越した。友人のいなかった俺が、どうにかしてお前の居場所を突き止めたい、そう思った。なんとかしてお前を見つけて復讐してやる。俺は18歳の時にそう誓った。その時にこのGoogleのサービスが始まった。俺は東京に店を構え、法外なアフリエイト報酬を用意して、いつかいつかと、お前が加入してくることを願っていた。まさか、何回も来てくれているお客さんが、お前だったとは。10年という月日は、人の顔を変えてしまうものだな。でも、アフリエイトプログラムに参加したお前の名前を見て、俺は震える気持ちがした。ついに毒薬を持って、俺の復讐を果たすときが来た」。

 その男はもうろうとする意識の中で思った。

 「俺がいなくなったら家族は、Googleペースで俺を探そうとするだろう。俺を探してくれた奴には、アフリエイト報酬を払うだろう」。

 次の瞬間、男はグーウルという音を出しながら眠っていた。
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by fastska | 2006-05-03 21:17 | サイバースペース
性の解放を批判する~女性がセックスを語り出したとき青春は終わる
「生命保険に加入したとき青春は終わる」と言った有名な作家がいる。

「青春」の辞書的定義とは調べてもらえばいい。

この「青春」というとき、どこか戻れないような歎美な響きが(少なくとも)ぼくにはする。

青さはもちろん人生の青さである。

春とは何かが始まろうとしているときに憂鬱でありながら、まだ果たせていない姿に身を委ねる気持ちの持ちようである。

あるとき、女性と話していて、一つの仮説が思い浮かんだ。

「女性がセックスを語り出したとき青春は終わるのではないか」

もちろんこれに対する男性版のそれはまだ持っていない。だけど、望郷の彼方にあるぼくの「女性」的なるものと、セックスを語る女性像はどこか遠く離れている。

「女性がセックスを語り出したとき青春は終わるのではないか」

青春が決して戻れないものと定義され、それを懐かしむ人々の記憶に美しく刻まれているのだとしたら、ぼくはそれを「セックス前、セックス後」と定義しよう。

もちろん、語り出す、ということであってそれ自体の経験は重要ではないけれど。

この男性版は一体なんだろうか?
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by fastska | 2006-04-05 01:10 | サイバースペース
古本を売って既存店をつぶそう
 最近、amazon.co.jpで古本を売っている。

 この前、ためしにBook-offで査定してもらったところ、全冊で「800円ですねぇ」だったものがamazon.co.jpで売ったら6300円になった。

 おそらくBook-offだったら潰れないだろうが、他の古本屋が淘汰されていくのも理解できる。お客が入ってきているのに、挨拶も無く、しかも買取には明確な基準もなく、そのくせ「高価買取、安価販売」を掲げている。

 こういうところにはまさにララバイ、と告げなければいけない。

 本を捨てる、という行為がどれだけ一般的かは知らないが、
 (1)保管する、ことが一番であり
 (2)保管スペースの問題で止む無く売る、ことは二番
 (3)捨ててしまう、というのは三番
 に位置付けている。

 本の価値などもはや「無い」といってしまってもいいのかもしれないが、やはりまだ本を捨てるのにはぼくは抵抗がある。

 売っているので、他人に少しでも役に立つだろう、というエクスキューズが必要なのだ!

 そういう意味ではamazon.co.jpは格好の場と言えるだろう。

 IT革命の真の意味は、サービスの悪い既存の販売店を淘汰するためにあるのではないか、とすら今では思う。

 という意味で、久々にamazon.co.jpの価値を見たり。どうぞみなさま試行をどうぞ。
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by fastska | 2005-06-14 00:00 | サイバースペース
サイバースペース夜話~第四話 つながる幸せ、小規模集団
a0022864_11584396.jpg あなたは誰にでもつながっている可能性がある。

 ちょっとヘンな話題が続いたので、今回は面白いことを考えてみよう。

 パーティーでも飲み会でもいい。ある人と個人的な話をしているときに共通の友人の存在を知ることがよくあるのではないだろうか。「ああ、あの人だったら知っているよ」と思いがけぬところで、高校の同級生だったり、奥さんの友人だったりする。

 このことからよく「世間って狭いねー」と言われる。

 確かに、ぼくもそういう経験がしばしあった。新しい職場の先輩の友人が以前の職場とメル友だった!なんてことも。

 だけど、その「世間って狭い」とはどれくらい狭いのだろうか。そういうことを真剣に考えた人たちがいる。

 例えば、このブログを読んでいる人。あなたが、全く知らないナイロビの役場に勤めている45歳氏にメールを届けるためには、共通の友人を何人介して送付することができるであろうか。

 まずはナイロビに行ったことのある友人を探して、そいつに送る。あるいは海外旅行好きの奴に送付する。彼がまた転送をして、その誰かがまた転送をして・・・

 さて何回のステップを踏んでそのターゲットに到着できるだろうか?

 100回?200回?違う、6回でつながるのではないか。

 これはすごいことだ。全く知らない他人に6回のステップでメッセージを届けることができるとすれば。それこそ世間は狭い、と言わざるを得ない。その「世間」という言葉の意味付けさえかえざるを得ない。

 それを真剣に実験している人たちが居る。
http://smallworld.columbia.edu/index.html
 ここのWatts氏は以前同様の実験をしたある著名学者が「特定の前提を要求した半ばイカサマ(大意)」であるとしてインターネットを使ったラディカルな実験に取り組んでいる。

 なお、以前同様の実験をしたある著名学者は、ある証券ディーラーに手紙を届ける実験をしたのだが、その参加者は実は証券会社の人間が多く含まれていた。これでは必然的に彼に届く可能性が高くならざるを得なかった。

 このようなネットワークの実験が繰り広げられているアメリカはやはり興味が尽きない。この実験はネットワーク社会の完全成立を前にして、病原菌の流行メカニズムを明らかにするだけでなく、なにやら新しいビジネスのアイディアまで生まれてきそうな感がする。

 「どこで縁があるか分からない」という言葉は感覚的な意味を超して、現実としてぼくたちの目の前にある。

 ねぇ、今あなたの隣にいる人がぼくの知人だったらどうでしょう。そして、このブログのリンクから6つ進んだところに誰がいるかも試してみようか。そしてぼくの知人がここの観者のだれかとつながっていることも想像しながら、ぼくは生きてみることにしよう。
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by fastska | 2005-01-23 12:23 | サイバースペース
サイバースペース夜話~第三話 あなたの奥さん殺します
a0022864_23535919.jpg 1年程前、ある計測器メーカーに勤める、関口伸也さん(仮名)はあるメールを受け取った。

 「あなたの奥様殺します。ご興味があればご返信ください」

 あまりに気味の悪いメールだったため、彼はもちろん無視した。しかし、二日後にまたメールは届いた。

 「以前お送りした、奥様を殺すご依頼の方はいかがでしょうか。また気が変わられましたらメールください」

 このしつこいメールにはどう対応したものか。分からないが、返信して騒ぎになるのもいやだったため関口さんはまたしても無視することにした。

 しかし、その催促メールはほぼ2日おきに届いた。

 関口さんは意を決して、そのメールに返信することにした。しかし、気を荒立てても、相手が変質者だったりしたら困る。あくまでも丁寧に返信しよう、と思った。

 「もうメール送付を止めてください。私にはその気もありませんし、これ以上送付なさればしかるべきところに通報いたします」

 だが、相手の熱意はさめなかった。

 「秘密は厳守いたします。こちらもその点は十分注意しております。日本の3組のうち1組は離婚しております。とすれば、どの夫婦におかれましても相手を憎む因子はあるはずでございます」と。

 彼は警察に通報しようか迷った。こんなこと通報してもイタズラメールと一蹴されてしまうだろうか。いっそのこと無視しつづけた方がよかったか。彼は無視を決め込めた。しかし、メールは続くのだった。

 「何かご心配のことがおありのようですね。ご安心下さい。ご用命の際は、暗号化して送ることができますのでログが残ることも御座いません。料金も安く、証拠が残る可能性も御座いません」

 彼は混乱した。

 その混乱はいわば、『本当は俺は妻を殺したいのではないだろうか』ということでもあった。特にいままで問題なく過ごしてきた。浮気もなく、相手にとりたてて不満は無い。しかし、最近このマンネリな生活に飽き飽きしていることも事実なのだ。

 そうだ、ためしに相手から料金くらいは聞いてみようか。こんな体験している奴もいないはずじゃないか。あとで笑い話になるかもしれない。

 ただ、待てよ、とも思った。相手がやはり異常者だったら、こちらがその気ではないと知ると逆上する可能性だってあるのではないか。

 もしかして、このメールを送っているのは妻ではないか?妻もメールくらいはできる。そう思えば、メール送信時間はいつも俺が仕事をしている時間ではないか・・・・

 彼はまたメールがきたときには絶叫していた。

 「コノヤローーーーー!!なんだってんだ。人をバカにしやがって、もう止めろ!!」

 その声を聞いた妻が関口さんに慌てたように寄ってきた。

 「どうしたの?あんな声出して」
 「いや・・・なんでもないんだ。会社のことでね。最近悩んでいて・・・」
 「そうなの・・・大丈夫?たまには気を楽にしてね」
 「ああ・・・ありがとう」

 その翌日、関口さんは最終メールを送付した。

 「もう二度とメールしてくるな。興味もなにも無い。違う人に営業してくれ。これ以上するとサーバー運営者に連絡して身元を調べるぞ」

 その後、彼のもとにメールが来ることはなくなった。

 すると妙なもので、気になった。一体いくらだったのだろう?一体誰がメールしてきたのだろう。本当にプロの殺人者だったのではないか?もしかして、この退屈な妻と別れることもできたのではないか・・・?そういえば、最近会社で気になる女性が・・・・・

 と考えようとしたが、止めた。ああ、バカらしい、よかった、と納得しようとした。



 1ヵ月後、関口さんが帰宅した際、今までに増して妻がパソコンの前に座っていることが多くなった。

 おい、帰ったよ、と言って、「あらごめんなさい」とご飯を作る、そんな日が続いた。

 ある日、関口さんが風呂に入っていると、部屋の中から妻の独りごとを聞いた。

 「あらーーこんなに安いのねーー」

 風呂から出るなり、関口さんは妻に「何があったんだ?」と聞いた。

 「いえいえ、何もないわよ。ごめんなさいね、パソコンばかりして」

 妻はそっけなく答えた。関口さんはあることが頭をかすめた。

 しかし、そんなはずはないのだ、と自分自身に言い聞かせた。ああ、また仕事に疲れてヘンな想像をしているのだ、と思った。とりあえず、考えるのは止めよう、と思った。

 その風呂上りに飲んだビールは美味しく、ヘンな想像をかき消すには十分だった。
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by fastska | 2005-01-06 23:51 | サイバースペース
サイバースペース夜話~第ニ話 死んだあの人からのハッピーバースデー
a0022864_11255369.gif 「ねぇ、ねぇ、いまからどうする?」
 大阪の梅田駅の地下街、シャープの大型液晶の下に座り込んで、サークルのみんなと飲んだ後、終電をのがして肩を寄せて座り込んでいた彼女は彼につぶやいた。
 「ねぇ、ねぇ、だからどーすんの?カラオケでも行く?マンガ喫茶はいやだしなぁ・・・」
 ねぇ、わたしたちこんなことばかりやって本当にいいのかなぁ。もう最近、いつが朝なのか、今日が何曜日なのかさえわかんなくなっちゃったよ。

 みんなと違う方向に歩く二人、そして彼の家に行って、「めざましテレビ」を見ながら眠りだすなんていいのかなぁ、なんて言って笑いあっていた。ねぇ、ねぇ、私たち何もないね。これが大学生ってやつなのかしら、いつまでもこの時間が続けばいいね。

 「どうだろうね」
 「どうかな」
 「わかんないよ」
 「何が?」
 「来年どうなるかってこと」
 「どうって?」
 「いや、就職するから」
 「就職したら、こういうことできないの?」
 「できるさ」
 「ふーん」

 
 3年後彼は死んだ。

 
 自殺だった。

 就職してストレス?それともどこかに借金があった?なんていうことをいう人もいた。彼女との関係は続いていた。遺書はなかった。携帯電話がつながらないなーと心配していた1週間後、彼の携帯電話の着信履歴を見た彼の弟が彼女に電話して教えてくれた。

 「・・・・」

 わーーん、と初めて泣いた。正確には、その話を聞いて2分後に突然泣き始めた。うそ?これって冗談じゃないの?よくあのひとって手の込んだうそで私をいつもビックリさせたんじゃない。本当に?うそ?うそ?
 でも、彼のうそはいつも3分後にはうそだってわかった。私を長く悲しくさせず、すぐに笑いながら「うそだよ」って言ってくれた。それでも、今回は、長いうそじゃないの?

 彼女は3日間泣き続けた。

 

 半年が経った。周りの友達も、そろそろ「新しい彼氏は?」なんてことを言ってくれるんだけど、常に「うん、まだいいかな」と答えるようにしてる。まだまだ、なんていいながらずっとずっと彼のことを気にしている自分に気づいていて、それでまた泣きたくなる。クリスマスも過ぎ、新年、ああ色々あの人と行ってたなーーなんて思い出しながら、今では少し笑顔が出る。

 楽しかった思い出、映画で死んだ人のことを語るときってこんな心境なのかしら、と。

 そして誕生日。彼女は少し会社を早く出て、映画を観に行った。
 「とびっきり悲しいやつがいいな、だけど最後はハッピーエンドのやつ」
 彼女は呟いて、劇場に入った。映画が始まる。カップルばかりだったので、少しいやだったけど、どうせ一人ぼっちなんだから、とポップコーンにコーヒー。

 映画が始まって30分後、携帯にメールが着信した。あらやだ、なんて思いながら、とりあえず周りに迷惑じゃないようにメッセージを確認する。

 彼からだった。

 「誕生日おめでとう」


 「えっ」彼女は小さな声を出してしまった。えっえっえっ、と彼女はびっくりして、震えだした。えっえっえっえっえっえっと振るえて、どうしてよいかわからなくて、涙が急に出てきて目をぎゅっと強く閉じてしまった。

 彼女はポップコーンもそのままにして走って劇場から出てしまった。そして、映画館のベンチでその震えていた手の中にある携帯電話をもう一度見直した。

 やはり彼からだった。誕生日の特別メールだった。彼が確かに言っていた。「誕生日おめでとう」

 彼女はまだ泣き止めなかった。「誕生日おめでとう」。ありがとう、ありがとう、と何回も呟いた。何が起こったのか、よくわからなかったけれど、ありがとう、ありがとう、と何回も呟いた。ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう。

 あとでわかったのだけれど、彼は「送信日の設定」で死ぬ前に彼女の誕生日に向けて、メールを発信していたらしい。彼女は、死んだはずの人からメールがきたことをすごくすごく不思議なのだけれど、また彼のことを思い出して、嬉しくて悲しくてわけがわかんない感情にとらわれた。

 彼が死んでから、サーバーに閉じ込められて、私にメールするまで。彼はどこにいたの?もしかしたらずっとそこにいるんじゃないかな。彼女は「やっぱりあの人が死んだなんて、あの人の冗談じゃないかしら」と呟いてみた。きっと、どこかにいるんだ。

 そして彼女は来年も彼氏なんてつくらず、彼のメールを待つことに決めた。その最高に嬉しい誕生日のために。もちろん、上記のサイトでは1年以上先は送れない。だけど、だけど、なにかが送られてくる気がして。

 彼女は彼の死んだことに対して、待ちつづける自分の気持ちをブログに書いた。


 「悲しい

 本当に悲しい

 彼がいなくなって私はずっとずっと泣いていた

 364日が死にたいくらい悲しいものならば

 1日くらい楽しく待ち遠しい日があってもなにがいけないでしょうか」
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by fastska | 2005-01-05 11:30 | サイバースペース
サイバースペース夜話~第一話 新時代のインターネットロマンスとインターネット犯罪
a0022864_047168.jpg 「ひさしぶりー」というタイトルで始まるメールを受け取った。12月初旬のことだ。たいていこのようなメールは友人からのものに見せかけて、どっかのサイトに誘うものだ。

 しかし、このメールは違った。「この前、たまたまブログ見つけました。本当にひさしぶりでびっくりしました。一度お話しませんか?電話番号は090-○○○○-○○○○です。○○日の12時ごろ話しませんか?」と書いてあった。今までのメールと違うのは、次の点だ。

 (1)ぼくの名前を知っていた。無差別配信ではない。
 (2)本名っぽい名前を名乗っている。しかもその名前は、ほのかに知っている名前だ。
 (3)サイトURLでなく、携帯番号を教えている。
 (4)時間まで指定されている

 ということで、ぼくは酒を飲んだ後、その番号に電話してみることにした。

 「もしもし・・・あの・・メールで・・・」
 「あ・・!!もしかして・・・あらー久しぶりねーー」

 確かに、その電話の先はぼくが昔知っていた女性であった。ちょっとばかりぼくは電話を続た。それにしても面白いなぁ、普通だったらこんなに電話して話すような仲じゃなかったのに、こんなこともあるんだなぁ、と思った。

 1時間くらい経過したくらいだろうか。

 「ところで、よくブログでぼくのことわかったねぇ、何でぼくってわかったの?」
 「・・・・?いや、それ何のことかわかんない。だって、そっちから電話かけてくるからっていうメールもらったよ。だから私も『うわーひさしぶりだなぁ』って思って」
 「え・・・いや、メールもらったのはこっちだと思うんだけど・・・」

続きはこちら
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by fastska | 2005-01-03 01:32 | サイバースペース