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緊急事態!!色々なことを書き散らしているようで、そうではなかったり。不思議でワイセツで知的な刺激を。
by fastska
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2006年絶対お勧め本
2006年はおのれを深く知る必要に迫られた。別に難しいことではない。「自分は何が好きで、何ができて、何をするべきなのか」こういう青臭いことを改めて考える必要があったということだ。本来ならばそれは就職の前に棚卸すべきだろう。しかし、不器用なぼくはそれができなかった。止む無く、「進みながら考える」という手法を取らざるを得ず、その結果が出ないものだから常に何かに追われたかのように動き続けてしまう。

本というものは、いつ読むか、どのような状態のときに読むかで印象は全く変わってきてしまう。読書ノートを見る限り、12月28日時点で194冊読んでいる。これでも同世代のトップランナーと比すれば10分の1にも満たないだろう。その限られた範囲の中でどうしてもぼくが感慨深くならざるを得なかった奇跡をくれた本に何冊か出合えた。

愛は脳を活性化する

正直、初見時にオカルトまがいかと感じてしまった本書はまぎれもない傑作。夢を見る、そして夢を達成した自分を確信する--これほど青臭いことの有益さを真剣に諭してくれる。その真摯さは清々しく、そして愉しい。
いつかしら人間は夢を語ることを忘れる。まるで、それが封印すべき過去かのように。しかし、どこまでも夢、そして全身に支えられた愛によって人間は生きる活力と若さを保ってゆく。

そんな「正論」をぼくたちにつきつける。ここで語られた内容は、すぐに捨てて明日からの仕事にとりかかるべきだろうか。それとも、その青さを逆手にとって生きる糧にするべきか。もちろん答えはあなたが決めてゆくものだ。


リプレイ

では、その「夢」とはどのように思い浮かべるものか。その夢を自己の夢たらんとするとき、そこには偶発性がないか。たまたまあなたが全身をかけるべきと信じざるを得なかった過程には、多くの出来事や多くの人たちとの出会いがある。
その偶発性も、まさに奇跡と呼べるものではないか。時代を変わりつつ、偶然が起きなかったとして、それでも変わらないおのれは存在するのか。なぜか人生を何度も繰り返してしまう主人公が見たのは、変わりゆく恋人であり、変わりゆく社会だった。

最後のラストには涙してしまう。その偶然性が生み出す奇跡は、どんなに悲劇であれ幸福な物語であれ平等に「ただあなたの前にある」。再び生まれても、あなたは同じ人生を同じく讃えることができるだろうか。


カリスマ

それでは究極的に、生きてきたという事実はどのように評価すべきか。どあほうに、ろくでなし。有象無象が錯綜するこの世の中において、あなたはいかにして自分が生きるべき価値を感じられるだろうか。そもそも、価値などあるのだろうか。
この「カリスマ」は現代日本人に突きつけられた最大の苦悩小説である。これまで信じてきたものが一瞬で崩れてしまうと分かっていたら、それまで人間は生きることができるだろうか。愛を創り出す友人や恋人が次の瞬間に変化し、あなたの前を去ってしまったら生きる価値などどこに見出せるのだろうか。

いや、それでもなお、人間は生きていかねばならない。この小説は、救いようのない底辺の人間たちを通じて、逆説的にそう語りかけている。畜生に身を蝕まれた後でも、少なくとも自意識だけは残っている。それが守るべき価値があるかなど究極的に分かるものはいない。しかし、そのくせに生きてゆくのが人間なのだ。

自分というものの結論が出たら、それは違う、ともう一人の自分がいう。当然だ。結論などというものが出る、と言うこと自体、複雑で崇高な人生というものへの冒涜なのである。まさにその問いは禅問答のように繰り返し繰り返し頭の中を高速で回るだけである。色即是空、空即是色、という自己矛盾した言葉の意味が少し分かった気がした2006年。
by fastska | 2006-12-29 11:00 | 青春記・旅・思想
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