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緊急事態!!色々なことを書き散らしているようで、そうではなかったり。不思議でワイセツで知的な刺激を。
by fastska
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演劇「奥様は魔女」~演劇衰退論を批判する
なんということだろう。演出家:南野真一郎の演劇「奥様は魔女」を見た後、ぼくはあらためて圧倒される思いだった。鮮烈な色彩に輝く俳優陣と凶暴な叫びに女優の声は無比のセリフ。過激さがとめどもなく増殖し、いたるところに氾濫する。

そう、それは、生涯にわたってインチキ演劇と戦い続け、その苦しい戦いを華麗な芸術に転化しおおせた一つの演出家の、輝かしい勝利の記念碑なのだ。

演劇「奥様は魔女」は、早くから精力的な演劇活動を展開し、とくに00年初頭あたりからは活躍し出す南野を中心として作成されるようになる。そこで重要なのは、彼らの個人史における演劇の必然性と、演劇史における欲求としての必然性が、ぴたりと一致したということだろう。

切り貼り演劇から本物志向への回帰--彼らがそれがたまたま、一様なストーリーで行き着くところまで行ってしまいその混沌から抜け出そうとしていた演劇史の動きと一致したのだ。

無意味な踊りと、不必要な下ネタの中にしっかりと存在する主流派を主張することでもって、自己と世界の消滅に向かう彼らの過激なパフォーマンスは、演劇界の枠を超えて派手な表現を展開しようとする演劇の先駆けとなって、注目されるようになったのである。

死に至る自己破壊を辞さぬ過激さを逆手にとって芸術へと転化し、それによって自己治癒を図る。しかし、その過程は一度かぎりの勝利をもって終わるはずもなく、演劇「奥様は魔女」はたえず振り出しに戻って苦しい戦いを繰り返さなければならなかった(観ていてそう思った。おそらく何度もストーリーを変更したのだろう)。

とくに、90年後半になり、アヴァンギャルド演劇(という名の単に素人)の高揚、演劇全体の観客数衰退の時期。その前後の時期は、彼らにとってにとって大きな危機だったのではないか。それだけに、その直後に起こる圧倒的な爆発は、聞く者を驚嘆させずにおかない。

絢爛豪華な生の饗宴を繰り広げる彼らの演劇--そう、ぎりぎりまで死に接近した演劇「奥様は魔女」は、この芸術によってはじめて生き延びることができたのだ。そして、彼らはなんと見事に生き延びてみせたことだろう! それはもはや芸術による自己治癒といったレヴェルをはるかに超えたものだ。病いを芸術に転化することで、死に打ち克つ。先に述べたとおり、それは一度かぎりの勝利をもって終わるような過程ではない。だが、演劇「奥様は魔女」は演出家の20年以上を超える人生のその戦いに見事に勝ち抜いてきた。もはや死すら恐れぬ境地に到達しつつあるかのようだ。

その意味において、繰り返そう、は演劇「奥様は魔女」という演劇家――病者ではない、紛れもない大芸術家の、輝かしい勝利の記念碑なのである。

http://tsuka.co.jp/kitaku/butai/0611majo/mm/index/index.html
by fastska | 2006-11-04 19:03 | 映画エイガえいが
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