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著者説明:(けっこう)有名な企業で仕事やっているけれど、片手間でライターもやっている。ファッションと旅行以外ならだいたい書ける。お仕事、感想、批判、誹謗中傷やらなんやらがあれば、ここまで。
earthcream2000@ yahoo.co.jp (山塚あて) *すみません、昨年からずっと最近メールが1万通きていて、見切れていません。メール返信必要な場合はblogに書き込んでいただけると幸いです。 リンク じんせいをかえる会 世界一のバイヤーになってみろ!! Honey Pieだいせんせい 人生という名の終りなき回廊 mixi アは青木泰山のア! 帰ってきたおさかな日記 戦うカタツムリの主張 フォロー中のブログ
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映画「カミュなんて知らない」を観た。映画マニアによる、映画オタクへの映画である。
『さらば愛しき大地』の柳町光男監督が、大学の映画製作サークルを、実際の立教大学のキャンパスで描く青春物語だ。 映画を詳しく知っていればいるほど、細かなセリフや場面が一体何を引喩しているのか理解できる--という構造は他の映画にもあるのであるが、この映画は違った。一言でいえば、「面白い」のである。 テーマ自体は新しくなく、正直いって使い古された「不条理モノ」ではあるのであるが。通常とは違うのである。 なんだろうか、このカット割りは。なんだろうか、この狙いすぎたアクションは。なんだろうか、この恋愛感情を剥奪されすぎた恋愛は。いや、こういうものを徹底的に描いた映画であれば、他にもある。ゴダールの後期を引用するまでもなく、シューリズムの前衛映画を引用するまでもなく。 ここに描かれたのは、能天気なほどまでの自己勝手さだ。女は抱きたい、でも責任はとらない。映画は撮りたい、でも資金は用意したくない。有名になりたい、でも努力はしたくない。 このどうしようもないほどの願望と無気力につつまれた学生たち。身勝手といいながら、その姿にどこか共感できる自分たち。これは、「他者なんて知らない」と言いながら他者なくしては自己の承認すら得ることのできないリアリズムを描いているのだ。 おそらく、シューリズムやニヒリズムが描きたかったのは「結局のところ世の中には意味がない。だったら、自分勝手に遊ぼうよ」というものだった。 しかし、である。実際人間はそんなに強くない。「結局のところ世の中には意味がない」といいながら、意味がなくては生きていけず、「自分勝手に遊ぼうよ」といいながら他者の存在なしには遊ぶことすらできない。 弱者が強者のフリをするとき、それは弱者以下の存在に成り下がってしまうのではないか。 そういうことを考えても考えなくても、この映画は愉しい。 おそらく、このどっちつかずの優柔不断さが最も現代人に合っているのではないか、といわんばかりの優しさを教えてくれる。
by fastska
| 2006-06-04 10:31
| 映画エイガえいが
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