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著者説明:(けっこう)有名な企業で仕事やっているけれど、片手間でライターもやっている。ファッションと旅行以外ならだいたい書ける。お仕事、感想、批判、誹謗中傷やらなんやらがあれば、ここまで。
earthcream2000@ yahoo.co.jp (山塚あて) *すみません、昨年からずっと最近メールが1万通きていて、見切れていません。メール返信必要な場合はblogに書き込んでいただけると幸いです。 リンク じんせいをかえる会 世界一のバイヤーになってみろ!! Honey Pieだいせんせい 人生という名の終りなき回廊 mixi アは青木泰山のア! 帰ってきたおさかな日記 戦うカタツムリの主張 フォロー中のブログ
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ぼくの就職活動は書類を破られることから始まった。いまから5年も前のことだ。
就職活動ではなく愁傷活動だな、と感じたのは。ある企業での訪問時のことだった。 「これじゃぁ提出して見てもらう内容じゃないよ」とその31歳京大卒氏は言ったのだった。ビリビリっと、話ではよく聞く風景も、実際されるとかなりショックなものである。おそらくぼくが逆の立場だったら、そういうことはしないだろう。将来どういう風にその人間とつながるか分からないし、今じゃぁwebでその過程を公開される可能性だってある。 しかし、今になって思えばよい経験だった。それに、その経験で鍛えられたことだってある。社会人になって受けた面接はほぼ(何であれ)通過していったのも、このときの経験があることは否定できない。 もちろんこんな体験はないほうがいい。よく失敗を必要以上に賞賛する人がいるが、失敗はないほうがいい。今まで多くの先人が失敗しているのだから、その失敗を繰り返してはいけない。 ぼくはなんだかんだで決まった会社があった。そして、大学の卒業式。卒業式の日にぼくらはライブを入れていた。だから卒業式もほとんど適当に出て、ライブハウスにみんなで向かった。 なんだかよく分からないけれど、そのときのライブは盛り上がった。非常に。演奏もしやすくて、本当によかった。 そして、夜---。 なぜだか、一人で泣いた。 よくわからないけれど、終わったものと終わらなかったもの。その混乱の中で泣いた。鏡の前に立つと、涙でぐしゃぐしゃになった男の顔が映っている。自分でも始めてみる顔。いままでほとんど泣いたことのなかった男が泣いた顔。わんわん泣いた。 そして数週間後---。 ぼくは会社の入社式に立っていた。確かに立っていた。だけど、ぼくは全く意識がなくなっていった。離人症のように、立っている主体が自分だかなんだかわからなくなってきたのを、なぜだか覚えている。 ライブハウスで一緒に暴れていたであろう女の子も、あの鮮やかな残像だけを残して、その少女の姿は消えていた。でっかいTシャツ姿の女の子も。帽子の男の子も。そしてフロアで踊って輪をつくっていたあの集団ももう消えていた・・・。一人の役員が話す。また次の役員が新入社員に対して話し始める。だけど、ぼくは自分の心の内に秘めた物語をずっと繰り返していた。するといくつものノイズが交錯して、やがてそれが大きなビートを作りはじめた。ぼくは目を閉じてしまった。 自分の目の奥の暗いところに何かが響き渡った。ビートの真っ只中で、集中し、自分の中のどんなに小さな声も聞き漏らすまいと、ずっとずっと待ちつづけた。 このぼくが変わらぬ限り。
by fastska
| 2005-01-15 12:55
| 青春記・旅・思想
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