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緊急事態!!色々なことを書き散らしているようで、そうではなかったり。不思議でワイセツで知的な刺激を。
by fastska
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著者説明:(けっこう)有名な企業で仕事やっているけれど、片手間でライターもやっている。ファッションと旅行以外ならだいたい書ける。お仕事、感想、批判、誹謗中傷やらなんやらがあれば、ここまで。

earthcream2000@
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(山塚あて)
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サイバースペース夜話~第三話 あなたの奥さん殺します
サイバースペース夜話~第三話 あなたの奥さん殺します_a0022864_23535919.jpg 1年程前、ある計測器メーカーに勤める、関口伸也さん(仮名)はあるメールを受け取った。

 「あなたの奥様殺します。ご興味があればご返信ください」

 あまりに気味の悪いメールだったため、彼はもちろん無視した。しかし、二日後にまたメールは届いた。

 「以前お送りした、奥様を殺すご依頼の方はいかがでしょうか。また気が変わられましたらメールください」

 このしつこいメールにはどう対応したものか。分からないが、返信して騒ぎになるのもいやだったため関口さんはまたしても無視することにした。

 しかし、その催促メールはほぼ2日おきに届いた。

 関口さんは意を決して、そのメールに返信することにした。しかし、気を荒立てても、相手が変質者だったりしたら困る。あくまでも丁寧に返信しよう、と思った。

 「もうメール送付を止めてください。私にはその気もありませんし、これ以上送付なさればしかるべきところに通報いたします」

 だが、相手の熱意はさめなかった。

 「秘密は厳守いたします。こちらもその点は十分注意しております。日本の3組のうち1組は離婚しております。とすれば、どの夫婦におかれましても相手を憎む因子はあるはずでございます」と。

 彼は警察に通報しようか迷った。こんなこと通報してもイタズラメールと一蹴されてしまうだろうか。いっそのこと無視しつづけた方がよかったか。彼は無視を決め込めた。しかし、メールは続くのだった。

 「何かご心配のことがおありのようですね。ご安心下さい。ご用命の際は、暗号化して送ることができますのでログが残ることも御座いません。料金も安く、証拠が残る可能性も御座いません」

 彼は混乱した。

 その混乱はいわば、『本当は俺は妻を殺したいのではないだろうか』ということでもあった。特にいままで問題なく過ごしてきた。浮気もなく、相手にとりたてて不満は無い。しかし、最近このマンネリな生活に飽き飽きしていることも事実なのだ。

 そうだ、ためしに相手から料金くらいは聞いてみようか。こんな体験している奴もいないはずじゃないか。あとで笑い話になるかもしれない。

 ただ、待てよ、とも思った。相手がやはり異常者だったら、こちらがその気ではないと知ると逆上する可能性だってあるのではないか。

 もしかして、このメールを送っているのは妻ではないか?妻もメールくらいはできる。そう思えば、メール送信時間はいつも俺が仕事をしている時間ではないか・・・・

 彼はまたメールがきたときには絶叫していた。

 「コノヤローーーーー!!なんだってんだ。人をバカにしやがって、もう止めろ!!」

 その声を聞いた妻が関口さんに慌てたように寄ってきた。

 「どうしたの?あんな声出して」
 「いや・・・なんでもないんだ。会社のことでね。最近悩んでいて・・・」
 「そうなの・・・大丈夫?たまには気を楽にしてね」
 「ああ・・・ありがとう」

 その翌日、関口さんは最終メールを送付した。

 「もう二度とメールしてくるな。興味もなにも無い。違う人に営業してくれ。これ以上するとサーバー運営者に連絡して身元を調べるぞ」

 その後、彼のもとにメールが来ることはなくなった。

 すると妙なもので、気になった。一体いくらだったのだろう?一体誰がメールしてきたのだろう。本当にプロの殺人者だったのではないか?もしかして、この退屈な妻と別れることもできたのではないか・・・?そういえば、最近会社で気になる女性が・・・・・

 と考えようとしたが、止めた。ああ、バカらしい、よかった、と納得しようとした。



 1ヵ月後、関口さんが帰宅した際、今までに増して妻がパソコンの前に座っていることが多くなった。

 おい、帰ったよ、と言って、「あらごめんなさい」とご飯を作る、そんな日が続いた。

 ある日、関口さんが風呂に入っていると、部屋の中から妻の独りごとを聞いた。

 「あらーーこんなに安いのねーー」

 風呂から出るなり、関口さんは妻に「何があったんだ?」と聞いた。

 「いえいえ、何もないわよ。ごめんなさいね、パソコンばかりして」

 妻はそっけなく答えた。関口さんはあることが頭をかすめた。

 しかし、そんなはずはないのだ、と自分自身に言い聞かせた。ああ、また仕事に疲れてヘンな想像をしているのだ、と思った。とりあえず、考えるのは止めよう、と思った。

 その風呂上りに飲んだビールは美味しく、ヘンな想像をかき消すには十分だった。
by fastska | 2005-01-06 23:51 | サイバースペース
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